ステーブルコインとは、価格の安定性を目指して開発された仮想通貨のです。仮想通貨はドルや円のような法定通貨と異なり、一般的に国や中央機関に管理されていない通貨です。
法定通貨での国際間取引を行う場合には、通常各国それぞれの通貨に両替する手間ひまがかかり、高額な手数料がかかリます。
仮想通貨を利用すれば、このような手間を省き、国境をまたいで自由に素早く取引できるため、そういった利用を目的として多くの仮想通貨が開発されています。
価格の安定を目指すステーブルコインには、国際的な決済手段としての利用が期待されているんだにゃん♪
「ステーブルコイン」はある特徴を持つ仮想通貨の総称
現在仮想通貨は全世界で15,000種類を超えると言われています。他の投資商品に比べて価格変動の幅が大きく、投資を目的とした商品としてはとてもリスクの高い部類になり、まだまだ一般的な利用には課題が数多くあります。
「ステーブルコイン」というのは「アルトコイン」と同様に、個別の仮想通貨の名前ではなく、価格を安定させる仕組みを持っている、という仮想通貨の総称です。
一般的に仮想通貨は投資商品としての認知が高いと思いますが、ステーブルコインの場合はそもそもの大きなメリットとして決済手段としての利便性が備わっています。
決済手段として利用するためには、価格の安定性はとても重要。一瞬で大きな値動きが発生すれば、決済に使う際に損失リスクが大きくなるからです。
従来の仮想通貨では価格の変動幅が極めて大きいため、このデメリットを克服できる可能性があることが、ステーブルコインが注目を集める理由です。
注意しなければいけないのは、ステーブルコインの中にも種類があること、ステーブルコインだからといって、必ず価格が安定する・保証されているという意味ではない、ということです。発行会社の信用が低下すれば価格が暴落するリスクはある、ということを理解しておきましょう。
ステーブルコインの3つの種類
ステーブルコインには、価格を安定させる仕組みが必要であり、その仕組みの違いから主に①法定通貨担保型 ②仮想通貨担保型 ③無担保型、の3種類に分類できます。
①法定通貨担保型の特徴
現在発行されている多くのステーブルコインは、この法定通貨型を採用しています。法定通貨担保型とは、米ドル、円などの法定通貨を担保にしたステーブルコインです。
法定通貨は国が主体となっているという信頼性があり、特に主要通貨であれば破綻リスクは低いといえます。
2023年1月現在の仮想通貨時価総額ランキングで、ビットコイン・イーサリアムに続いて3位となっているテザー(USDT)は、米ドルと連動したステーブルコインで、1USDTがおよそ1ドルとなります(日本国内の取引所では取り扱いなし)。
法定通貨に裏付けされていれば、価格の安定が見込めるため、利用者の安心感は高まります。発行会社が法定通貨を資産に持つことで信頼性を確保していますが、2022年に当該会社が資産不足になるようなリスクがあることには注意が必要です。
②仮想通貨担保型の特徴
仮想通貨担保型は、仮想通貨を担保にしているステーブルコインです。中央で管理する存在がない、という仮想通貨の特徴を最もよく活かしたコインとも言えます。
ビットコインやイーサリアムのような一定の信頼性のある通貨に連動させることで、価格の安定性を図っていますが、価格の乱高下が特徴の仮想通貨を担保にするデメリットもあります。
たとえメジャーな通貨でも値動きが大きいことに変わりはなく、そのため仮想通貨担保型を利用しているステーブルコインは少なめです。
③無担保型の特徴
無担保型のステーブルコインは「アルゴリズム型」とも呼ばれます。無担保型の大きな特徴は、法定通貨や仮想通貨を担保にしていない点です。
通貨の供給量ををアルゴリズムを使って調整し、価格を安定的に保つことを目標にしています。例えば、価格が高騰した時は通貨の供給量を増やして価格を抑え、逆に価格が低下した時には供給量を減らして価格を高くさせます。
この調整は自動的に行われる仕組みを使っているため、中央の組織が管理しないという点が支持される理由にもなっています。
ただ、2022年に起きた無担保型ステーブルコインTerra(UST)の大暴落など、自社開発の仮想通貨での価格の安定化にはまだまだ問題も多く、安易に手を出すことはリスクが高いと言えるでしょう。
中央が管理しないというのは仮想通貨の大きな魅力の一つだけど、その分全てが自己責任だということは理解しておこうにゃん♪
ステーブルコインのこれから
一般的には価格変動の幅が大きいリスク資産である仮想通貨を、価格の安定させる仕組みを持たせることで、決済手段としての利便性を向上させるのがステーブルコインです。
デジタル化が加速する次世代型の決済手段として、これから実用化が広がっていく可能性があります。その種類や特徴を理解し、信頼性や将来性を見極めて管理しましょう。